ダブルブッキングをなくす方法:小さなお店のための予約管理の見直し方
火曜日の10:55。11:00ご予約のお客様がコートを掛けているところに、もう一人の女性が来店します。先週Instagramのメッセージで同じ時間を予約していたのですが、その予約はアプリではなく紙の予約台帳に書かれていました。どちらかのお客様は、嫌な思いをして帰ることになります。
ダブルブッキングは、単なる不注意だけで起こるものではありません。小さなお店では、いくつかの決まった「漏れ」から起こります。予約を書く場所が二つある、施術時間の設定が実態と合っていない、二人が同時に予約を受ける、変更が予約表に反映されない。この漏れをふさげば、問題はほとんどなくなります。この記事では、15分でできる見直し、漏れごとの対策、それでも重なったときの伝え方を紹介します。
ダブルブッキングはどこから起こるのか
ダブルブッキングのほとんどは、次の六つの漏れのどれかにたどり着きます。この表は記事全体の要約です。思い当たる漏れを見つけたら、その対策の項目に進んでください。
| 漏れ | よくある状況 | 対策 |
|---|---|---|
| 予約台帳が二つある | 電話予約は紙の台帳、ネット予約はアプリに入っている | 予約表は一つだけにして、ほかの窓口はすべて「受付箱」として扱う |
| 記憶に頼った予約 | 「このお客様が終わったら入れておこう」 | 電話やチャットを終える前に入力する |
| 施術時間の設定ミス | 105分かかるカラーが90分で予約されている | 実際の施術時間を測り、所要時間を設定し直す |
| 二人が同時に予約を受ける | オーナーとアシスタントが二人とも15:00の枠を埋めてしまう | 全員のスマホで見られる、リアルタイムの共有予約表を一つ用意する |
| 予約表に反映されない変更 | お客様がメッセージで木曜に変更したのに、火曜の枠が残ったまま | メッセージのやり取りをしているうちに予約を移動する |
| 見えていない私用の予定 | 子どもの送り迎え、歯医者、休日をブロックしていない | 私用の時間も予約と同じようにブロックする |
うっかりのダブルブッキングと、計画的な掛け持ちの違い
この記事で扱うのは、うっかり起こるほうのダブルブッキングです。つまり、二人のお客様がどちらも同じ時間に自分の施術を受けられると思っている状態です。これは、一人目のカラーを置いている間や、ワンちゃんをケージで乾かしている間に二人目の施術を始める、計画的な掛け持ちとは別物です。
計画的な掛け持ちは売上につながることもありますが、それは意図して行い、時間配分を把握している場合に限ります。手を動かす時間と手が空く時間を分けて考え、まずは一日一回の掛け持ちから始めましょう。掛け持ちがうっかり起きたのなら、予約表の見た目がどうであれ、それはダブルブッキングです。
ダブルブッキングはどのくらい起きているのか
備えておくべき程度にはよく起こります。特に小さなお店ではそうです。椅子も台も車も一つだけなら、ミスを吸収する余裕はありません。一つの枠にお客様が二人いれば、どちらかが待つか、帰ることになります。
手作業で予約を受ける窓口が増えるほど、リスクも高まります。電話、DM、メッセージ、受付のどれもが同じ時間を二重に書き込むきっかけになるため、この記事の残りでは、それらを一つの予約表にまとめる方法を扱います。
15分でできるダブルブッキング見直しチェック
お店が落ち着いている午後に一度、予約表を開いてやってみてください。見つかった穴が、そのままやることリストになります。
ルール1:予約表は一つ、それ以外はすべて「受付箱」
予約を書ける場所が二つあれば、いつか必ず両方に書かれます。 アプリの横に紙の台帳、お店の予約表の横にスタイリストのメモ、自店の予約ページの横にポータルサイトの掲載ページ。どの組み合わせも、ダブルブッキングの種になります。
予約表を一つに決めて、予約が存在する場所をそこだけにしましょう。電話、DM、SMSは受付箱です。依頼を受け取る場所であって、予約表に入るまでは何も確定していません。これを守るいちばん簡単な習慣は、スタッフ全員で使う一言を決めることです。「確定しました」と言うのは、予約表に入れてから。
手入力する予約が少ないほど、ミスの機会も減ります。だからこそ、多くの小さなお店がお客様自身で使える予約リンクに予約の大半を移しています。無料のオンライン予約システムで実際に何が使えるかは、こちらのガイドで紹介しています。
| 窓口 | 担当 | ルール |
|---|---|---|
| 電話 | 施術中でない人 | 通話中に入力し、日時を復唱する |
| InstagramとFacebookのメッセージ | 決まった担当者が、決まった時間に | 予約リンクを送る。手入力する場合は返信する前に入力する |
| WhatsAppとSMS | メッセージと同じ担当者 | メッセージと同じ。「とりあえず仮押さえ」はしない |
| 受付 | 受付にいる人 | 予約表はスマホかタブレットで管理し、紙は使わない |
| オンライン予約リンク | 担当なし | 自動で予約表に入る。本当に入っているか確認しておく |
土曜日が崩れる前に、施術時間の設定を直す
実際より短く設定されたメニューは、画面上ではダブルブッキングに見えませんが、結果は同じです。短い枠のたびに次のお客様が後ろにずれていき、最後には二人が同じ席を待つことになります。
よく出るメニューごとに、実際の施術を5〜10回測ってみてください。お客様が席に座った瞬間から、席が次のお客様を迎えられる状態に戻るまでです。調子のいい日ではなく普段の時間を使い、15分単位で切り上げます。サロンでの時間管理の記事で、片付けや準備の時間をお昼休みではなく予約枠に含めるべき理由を説明しています。
以下は、スタイリスト二人の美容室が二週間かけて施術時間を測った場合の例です。
| メニュー | 予約時の設定 | 実際の平均的な時間 | 新しい設定 |
|---|---|---|---|
| レディースカット+ブロー | 45 | 55 | 60 |
| リタッチカラー | 90 | 105 | 105 |
| メンズカット | 30 | 30 | 30 |
| ブロー | 30 | 35 | 45 |
| バレイヤージュ | 150 | 180 | 180 |
あるスタイリストの土曜日を想像してください。9:00から、レディースカット二件、リタッチカラー、バレイヤージュが隙間なく入っています。予約表の上では45 + 45 + 90 + 150 = 330分なので、14:30に終わる計算です。実際には55 + 55 + 105 + 180 = 395分かかり、終わるのは15:35です。14:30に予約したお客様は65分待たされ、「予約はいっぱいでも時間どおり」のはずだったスタイリストは、二人目のお客様からずっと押していたことになります。新しい設定時間(60 + 60 + 105 + 180 = 405分)なら、同じ四人のお客様が収まり、一日は15:45に終わります。次のお客様は、最初から15:45で予約すればいいのです。
スタッフが二人以上でも、予約表は一つ
二人から五人のお店では、ほとんどの重複は二人が同時に対応したときに起こります。一人は電話、一人はDMの返信をしていて、二人とも同じ枠を埋めてしまうのです。対策は、全員のスマホで更新される共有予約表を一つ持ち、いくつかのお店のルールを決めることです。
電話を取るのは一度に一人だけ。 忙しい日は、お昼まで誰が電話を取り、午後は誰が取るのかを決めておきます。ほかのスタッフは、その人に電話を任せます。
スタッフは自分の列にだけ予約を入れる。 ほかのスタッフの列に入れるなら、先に本人に確認します。黙ってほかのスタッフのお客様を動かすと、二人が同じ16:00のお客様を待つことになります。
毎朝2分だけ時間を取り、 その日の予約をみんなで見て、重複や短すぎる施術時間がないか確認します。8:50に見つければ電話一本で済みますが、10:55に見つかれば店頭で謝ることになります。
よくあるダブルブッキングのミスと対策
1.「このお客様が終わったら入れておこう」
フェードカットの途中で電話が鳴り、金曜の14:00で了承して、あとで入力しようと心に決めます。ところがその間に、別の人が予約リンクから金曜の14:00を予約してしまいます。対策: 今入力できないなら、今は確定しないこと。「1時間以内に確認のメッセージを送ります」と伝え、予約表を見てからその約束を守りましょう。
2. チャットでは予約を変更したのに、予約表では変更していない
お客様から火曜を木曜に変えたいとメッセージが来ます。「大丈夫ですよ」と返信して、そのまま作業に戻ります。火曜の枠は埋まったまま、木曜の枠は空いたままに見えます。対策: 先に予約表で予約を移動してから返信します。キャンセルも同じです。すぐに枠を削除して、ほかのお客様が予約できるようにしましょう。
3. 自分の予定を予約表に入れていない
子どもの学芸会、歯医者、親戚の結婚式。ブロックしていなければ、その時間にお客様の予約が入ります。対策: 私用の予定は、わかった時点ですぐにお客様の予約と同じように予約表に入れます。休日や長期休みは、一日まるごとブロックしましょう。
4. 固定の予約を頭の中だけで管理している
いちばん長いお付き合いの常連さんが、4年間ずっと隔週水曜の10:00に来ているので、誰も書き留めていません。そこへ新規のお客様が、その水曜の10:00をネットで予約します。対策: 常連さんの予約はすべて繰り返し予約として、少なくとも2か月先まで入れておきます。そうすれば、誰が見てもその枠は埋まっていることがわかります。
5. 次の予約を確認せずに割り込ませる
ちょっとしたヒゲの整えは「10分で終わる」はずが20分かかり、15:00のお客様を待たせてしまう。対策: 引き受ける前に、次の予約と、そのメニューに実際にかかる時間を確認します。予約客と飛び込みのお客様を両立させる方法の記事では、予約の何分前までなら飛び込みを受けられるか、シンプルな目安を紹介しています。
ダブルブッキングをしてしまったときの対応
しっかりした習慣があっても、たまには起こります。そのときは、どちらが先に予約したか、どちらの予約が時間に左右されるかといった基準で枠を残すお客様をすぐに決め、もう一人のお客様には新しい日時と何らかのお詫びを提案しましょう。
小さなお店で使いやすい目安はこうです。先に予約したお客様が枠を使う。ただし、もう一人がすでに施術中で、先に予約したお客様に家を出る前に連絡がつく場合は別。 枠を譲ったお客様には、次の都合のいい日時と、オプションメニューの無料サービスや次回の割引など、きちんとしたお詫びを用意します。そして、原因となった漏れを特定して、同じことが二度と起きないようにします。
SetTimeで予約表を一つにまとめる
SetTimeは「予約表は一つ」のルールを前提に作られています。お客様はオンライン予約ページから24時間いつでも自分で予約でき、その予約は、電話やDMの予約を手入力するのと同じ日別・週別の予約表に入ります。スタッフごとに勤務スケジュールを設定できるので、勤務時間は一か所で管理できます。予約表はWebでもiOS・Androidアプリでも見られるため、誰が電話を取っても、全員と同じ一日を見ながら対応できます。
常連のお客様は繰り返し予約として登録できるので、その枠は埋まったままになります。メールでのリマインドとフォローアップは無料プランに含まれています。SMSやWhatsAppでのリマインド、WhatsAppでの予約確認とキャンセル、複数メニューの予約、スタッフ数無制限はProプランで利用できます。忙しい美容室での使い方は、美容室向け予約システムのページでご覧いただけます。
できないこと:料金ページにはGoogleカレンダーやOutlookカレンダーとの同期は記載されていません。私用の予定はSetTime自体に入れ、片付けや準備の時間は各メニューの所要時間に含めておきましょう。
まとめ:おすすめの進め方
ダブルブッキングは仕組みの問題です。人を責める前に、仕組みを直しましょう。まずは見直しチェックで見つかった漏れから始めてください。
- 一人で営業していて、三つ以上の窓口で予約を受けている場合: すべてのプロフィールと自動返信に予約リンクを載せ、予約表以外の場所に予約を書くのをやめましょう。
- スタッフが二人から五人の場合: 共有予約表を一つ、時間帯ごとに電話担当を一人、そして毎朝2分の確認を。
- 予約が重なる原因が押しによるものなら: 今月中によく出るメニュー五つの時間を測り直しましょう。
- 同じ漏れで一か月に二回トラブルが起きたら: ルールを変えて、スタッフに共有しましょう。
今の運用で予約台帳が二つ以上あるなら、SetTimeの無料アカウントを作成して、今週中にすべてを一つの予約表にまとめましょう。
よくある質問
ダブルブッキングは、ミスで一つの枠に二人のお客様が入ってしまうことです。オーバーブッキングは、航空会社のように、何人かは来ないだろうと見込んで、対応できる以上のお客様の予約をあえて受けることです。席やベッドごとにお客様が一人というサービス業では、オーバーブッキングが得になることはほとんどありません。無断キャンセル対策には、予約金やリマインドのほうが安全です。
ほかのすべての予約と同じ予約表に入る限り、オンライン予約そのものが原因になることはありません。問題が起きるのは、二つのシステムを並行して使っているときです。たとえば、ポータルサイトの掲載ページと自店の予約ページ、あるいはオンラインの予約表と紙の台帳を併用している場合です。システムは一つにするか、使い始める前に両方が本当に一つの予約表を共有しているか確認しましょう。
代わりに、書き込まない控えを用意しましょう。閉店時に翌日の予約一覧を印刷するか、スクリーンショットを撮っておきます。そこには新しい予約を絶対に書かないこと。書き込むバックアップは二つ目の台帳になり、それこそがいちばんよくある漏れです。
ネットで予約したあとに「念のため」電話をかけてくるお客様がいると起こります。週に一度、お客様の名前で検索して重複している予約がないか確認し、見つけたら、もう一方を削除する前に、どちらの日時がいいかお客様にメッセージで確認しましょう。